吸盤みたいにギュンとくっついていた!
なんだこのむず痒い感覚は!
琥珀はふにゃふにゃしちゃいそうだ!
「咲くん、学校!学校遅れちゃう!」
「ふふっそうだね」
「咲くん!」
なんだかすごく、口説かれたような気がする!!
琥珀ちょろいんだから、ダメだよダメダメ!!
……でもほんとにダメなの?
いやでもまだ心の準備がっ!!!
「あー……かわい」
「学校……」
「うん、行くよ。慌てふためく琥珀ちゃんも見れたことだしね」
ぱっと離れた手に、今度は寂しさが込み上げてくる。
ダメだ、じょーちょが不安定だ、琥珀。
どうしろっていうんだ!
「い、行ってらっしゃい!!」
「ふふ、行ってきます。……いいねこれ」
「もう!」
咲くんを学校へ送り出してから、また琥珀はゆっくりと寝ようと思ったけれど。
胸がドクドク、ドクドクとして、しばらくは眠りに落ちられなかった。
「ということでみっちょんごめんんん!!学校行けなかった!!!」
『咲さんに聞いたわよ。アシも私が行っとくからゆっくり休みなさい。アンタこじらせると風邪長引くんだから』