そう考え始めてしまうと、止まらなかった。

不安はどんどん大きくなって、琥珀がもし病弱じゃ無ければ、もっとちがったのかなって。



普通だったら、普通に学校に行ったり遊びに行ったりたくさんできて、友達ともたくさん遊べていたら。

そんなに心配かけずに済んだんじゃないかって。



「琥珀」



咲くんはゆっくり、琥珀の手を握ってくれる。

優しく、優しく。



「琥珀は自分のこと、認めてあげられないの?」

「認める……?」

「不釣り合いだと思ってるんだろうけど、黒曜のみんなは違うよ。琥珀が病弱だったなんて知らないし、琥珀が優しくていい子だからみんな認めてる。琥珀の力なんだよ」

「……そう、かなぁ」



自分を、認められてないの……?琥珀は。

わからない、考えたこともなくて。



「俺は琥珀が琥珀だから、好きなんだよ」

「っう……」

「照れた」

「て、てれてないっ」



だ、だ、ダメだ咲くん!

前に惚れただなんだ言われた人にそんな事言われてしまったら、琥珀だって意識しない訳にはいかない!!



両手が握られていることまで意識が行ってしまって、ぶんぶんと手を振る。

一緒に咲くんの手もぶんぶん振られる。

けれど決して離されなかった。