どうやら、咲くんも黒曜のことは伏せてくれるらしい。

回復してからアシスタント来てねってことだよね?



「あら、まぁ、うふふ。よかったわねぇ琥珀」

「もー、ママお部屋出て行っていいよぅ!!」

「はいはい。ごゆっくりねぇ」

「あ、すぐにおいとましますので。学校行かなくちゃ」



にっこにっこしているママン、たぶん琥珀にお友達がいて嬉しいのだろう感じが滲み出している。

琥珀、子供の頃友達いなかったからなぁ。

体が弱かったから仕方がないものの、随分と友達関係のことでも心配かけてしまっていたご様子。



「お母さん、優しい人だね」

「……琥珀ちょっと甘やかされすぎてるんだよ」

「それって、罪悪感?」



咲くんにそう言われると、琥珀はつい黙ってしまった。

罪悪感……なのかな。

なにが悪いとかよくわからないけど、そんなに甘やかされて育っていいんだろうかって、思ってしまう。



「こんな自分が、それでいいのかなって、思ってしまうの」

「……うん」

「迷惑ばかりかけて、心配ばっかりかけて、それでもみんな優しくしてくれて。でもそれって病弱だったからじゃないかって……」