いおりさんにスケッチさせられる時があることは、下の奴らの中じゃ有名だ。
あの鋭い目付きに数分間……いや、何ポーズもあったら数十分とかかる。
そして怯え切る俺たちの胃がやられる。
すげぇ尊敬してんのとは別に、怖いもんは怖い。
この人マジで容赦ねぇから……。
さらに上に咲さんがいる。
あの人はもっとヤベェ。
優しい男に見えてる分、そんなもんじゃねぇからヤベェ。
敵味方の切り替えがヤベェ。
あの顔しといて敵には容赦ねぇし、いつの間にかあの人の思う通りに動いてることがある。
例えば黒曜の……この今の環境だってあの人の思う通りだ。
ただ、俺たちにまで恩恵がある為に、反論なんてする奴はいねぇ。
うぃんうぃん?みてぇな関係にしちまうのが上手い人が俺らの頭だ。
「オイ、脱げ」
「はい……」
ウチんとこのツートップはマジ最強にヤベェのに、漫画描いてる。
そんな誰にも見られたくないところに、女が来た。
俺たちは二人揃ってその女の方を向き。
「あ」
「あ」
「……」
「……オイ、動くんじゃねぇよ」