神殺しのクロノスタシスⅣ

棺桶の中から、白いヒゲを生やしたおっさんみたいな…。

…黒い服を着た小人が、よっこいしょ、とばかりに棺桶から出てきた。

…何?この展開。

シルナみたいに、変な奇声は出なかったものの。

そろそろ俺の脳内も、キャパオーバーしそうなんだが?

「僕に感情を教えて、この瓶を満たしておくれよ。そうしたら、指輪を外してあげるよ」

俺達が呆然としている中、陽気に喋るおっさん小人。

…誰だ?お前。

まずそこから言えよ。

「…何者です?あなたは」

かろうじて、イレースが口を開いた。

良いぞイレース。良いことを聞いた。

すると。

「僕は小人さ。七人の小人のうち、『恐怖』の感情を集める小人だよ」

おっさん小人が、訳の分からん返事をした。

『恐怖』…?七人…?

首を捻っていると、シルナが突然。

「…あっ!!」

と、大声をあげた。

…何だ?

「うるさいぞ、シルナ…。どうしたんだよ」

俺は今、現状何が起きているのかを確認するのに精一杯なんだよ。

突然、棺桶からおっさんの姿の小人が出てきたと思ったら。

契約がどうとか感情がどうとか言い始めて、頭の中が大混乱。

「思い出した…。もしかしてこの棺桶…『白雪姫と七人の小人』じゃないかな!?」

…は?

シルナが、突然メルヘンなことを言い始めた。

ボケか?ボケが始まったのか、と思ったが。

このタイミングを考えると、多分認知症の症状ではないな。

むしろ、シルナがこの謎棺桶の正体について知っている、と考えるのが妥当だろう。

「シルナ、何なんだ?その白雪姫って…」

童話のアレだろ?よく子供の絵本になってる…。

それと、この謎棺桶と、何の関係が?

「賢者の石と同じく…イーニシュフェルトの里で作られた、魔法道具の一つだよ」

シルナの説明で、少しはこの棺桶について分かる、と思っていたのに。

むしろ、更なる混乱を招く結果となった。

これが…魔法道具?