「真夏に引っ付くと暑苦しいからやめてよ」

「わーん瑠夏冷たい、その冷たさでこの夏も凌げそう」

彼女はあの後中学、高校までずっと一緒で、中学では1度距離ができてしまったが、

今ではまた黒羽含め、1番と呼べる友人になっていた。

「そういえば、あんたこの間のバイト先の先輩とどうなったの」

私は彩絵に尋ねる。

「…告白されたよ」

「えっ!?」と、思わず私と黒羽の声がここら一帯を響かせる。

周囲の人たちは、そんな私たちを奇異な目で見ていた。

彩絵は、彼女の居酒屋のバイト先の大学2年生の山本先輩から、鎌倉のドライブに誘われていた。

「えっ、それで、結果は結果は??」

彼女は手を合わせ、「ごめんなさいっ」と言った。

「えぇーっ、なんで!」

彼女は一瞬黙り、

「だって、大学生なのに高校生に手出す時点で、ちょっと、危ないじゃん」

これに対して黒羽も、「確かになぁ」と賛同している。

私は、本当に好きだったら、歳の差とかそういうの、関係ないと思ったけど。

多分、私のこの考えはまだまだ幼稚で、2人の考えが普通なんだと思う。