電車から降りると、折角車内で引っ込んだ汗がまた吹き返してきた。

どうしてこうも夏は鬱陶しいのだろうか。

早く冬にならないかな、と私は腕で汗を拭う。

電車から降りれば、私と同じ制服の生徒たちが一気に目に入るようになる。

あちこちで色んな会話が飛び交っている。

「瑠夏〜」

周りの声に混じえて、後ろから聞き慣れた声がしてきた。