❁⃘

耳元で毎朝同じ、鬱陶しい鈴の音が頭に響く。

いつもと同じ制服を着て、髪にはアイロンを通して、

お気に入りの香水を振りかける。

そしてベッドのすぐ横に昨日ほっぽられたリュックを勢いよく肩にかけ、

私は朝食も食べずに家を出た。

そろそろ時間に余裕を持って起床して、朝ご飯ぐらい食べるべきだな、と思いつつ、

やっぱり今日も時間ギリギリに追われていた。

ドアを開けると日光が音を立てているんじゃないかと思うほど、

ジリジリと私の肌を焼きつこうとしていた。

やばっ、と思い日焼け止めを腕や脚に塗りたくる。

これも何度目だろうか。

私は急いで駅へ向かった。