「優介くんがね、突然訪ねてきたんだ。その時は正直驚いたよ。

部屋からの景色を見せて欲しい、だなんて無茶な頼み事をされるもんだから。」

優介は、すみません、とバツが悪そうに頭をペコッと下げる。

「ううん、優介くんが、この景色を見せたい相手は君だったんだね」

初対面であるはずなのに、彼の笑顔がとても優しいものだと心の底からわかる。

3色が混ざり合い、私たちの頬を染めている。

今まで記憶にずっと鮮明にあり続けたあの日の空は、

私と東希、2人の空であった。

今私たちが見てる空は、ピンク色が加わり、それはまるで___。


彼、が。

私たち3人になった、と暗示しているように思えた。


「優介、爽太さん、本当に、本当に…ありがとうございます」