途中乗り換えの駅のホーム上にあった、古びた小さな売店でパンを購入し、

2人でほうばりながら電車を待ったり、駅から降りても、

目の前にすぐ食べ歩き通りがあり、結局寄り道を繰り返して

予定の時間より2時間あまりほど押してしまった。

それでもまだ、空はどこまでも青い。

時刻は17時前といったところだった。

「わっ…!」

彼女が隣で目を輝かせ、駆け足でそこへ向かう。

「はやく!行こ!」


遠くで、黄色の花たちが無数と星のように広がっているのが見える。

僕らは、走って向かった。