「ふうん、お姉ちゃんのこと好きなんだ。」

「もう、昔からめっっっちゃ好き。」

「大丈夫だよ、僕彼女が3人いるから!」

今この場に効果音を付けるとしたらズコー、だろうか。昭和か。

僕は笑いが込み上げ、彼の頭をがしっと撫でた。

「大事にしろよ。案外、一生もんになるかもしれないからな」

「うん、わかった。

お兄ちゃんもお姉ちゃんにちゃんと好きって言わなきゃだめだよ」

この歳になって8歳児からアドバイスを受けるとは思っていなかった。

「わかった、男と男の約束だ、指切り」

男の子が小指を僕の小指に絡ませ、僕らは指切りげんまんを一緒に歌う。

瑠夏が女の人を連れ、僕らの方へ向かってくる。

男の子は女の人に向かって「お母さん!」と飛びついていった。

瑠夏は男の子に向かってひらひらと手を振っている。

約束するよ少年。俺は今日絶対に瑠夏に思いを伝えるぞ。

男と男の約束だからな。指切りげんまん歌ったからな。


破ったら針千本飲まされるし。