彼女は、小学生くらいの男の子と手を繋いで僕の前に現れた。

「えっ」

男の子は少し怯えた表情をしている。

「弟?」

「ううん、迷子になっちゃったんだって。

泣きながら声掛けてきたからとりあえず連れてきちゃった」

なんとも、彼女らしい始まりだ。

現地へ向かうのは、まずこの男の子の親を探してからということになった。