(あー。)

付き合っては無くても、2人は両想いなのだ。

「てかだったら、俺に譲ってくれません??」

「はぁ?譲らねぇよ。」

さっきまで敬語だったくせに、彼は急に喧嘩腰になった。

「じゃあなんで泣かせたんですか?」

彼は口を紡いだ。

詳しい話も聞いていないし、予想でカマをかけてみたが、

やっぱり何かあったのは間違いないようだ。


彼は左腕のブレスレットを、ぎゅっと握りしめた。

めんどくせぇ男だな。

「夏休みもう終わっちゃうなー
学校始まんのだりぃー。」

不思議そうな顔を浮かべる彼を無視し、僕は話を続ける。

「向日葵もう萎れちゃうな。
早めに見に行かないと。」

手元から、向日葵の花を1本抜き取り、彼に差し出した。