中で何か作業をしているようだが、すぐに戻ってきて、

その腕の中には、花束が抱えられていた。

「えっ、何?」

「ガーベラ、キキョウ、バラ、カスミソウ。」

彼は右から順番に花を指さしながら、名前を挙げていった。

正直、全然花の名前なんてわからない。


「全部愛の意味!」


目の前にわっ、と花を添えられて、思わず胸を鳴らしてしまう。

なんて素直で、まっすぐなんだろう。


「俺、本気で瑠夏のこと好きだよ。

付き合って欲しい。」


幾度となく聞いたセリフだったが、

今日はなんだか、いつもと違った。


「ありがとう。だけど、ごめん。私…」

外せなかったこのブレスレットが、何よりも答えだ。


「優介が好き、世界で、1番」

「……うん。でも花は貰って。気持ちは嘘じゃないから」