私は、それで…。

それで、東希に恋をしていたんだ。

今更どうこう言うつもりは全くないが、

本音を言えば少し、ショックだった。

優介がそこまで私を思ってくれていたことに、気がつくことがなかった。

優介は記憶を失う前も、失ったあとも、

ずっと、ただ、私だけを見てくれていたんだ。

「それから、東希…えっと…」

私は紡いだ彼女の声に耳を傾ける。

「白血病だった」

「…えっ?」

「東希に、みんなには…特に瑠夏には黙ってて欲しいって相談受けてて…。

ごめん、もっと早く言わなきゃいけなかったよね。

言おう言おうって思ってるうちにどんどん時間が過ぎちゃって…。」

東希は途中から学校に来なくなった。

そのまま2ヶ月ほどして、学校側に訃報が届いたため、

みんなあることないことたくさん噂をしていた。