「海は空といちばん近い気がする。」

優介が何を言いたいのか分からず、思わず困惑してしまう。

「死んだ人って空に行くんだろ。」

優介は僕とは一切、目を合わせてくれなかった。

僕も彼じゃなく、彼と同じ、空を見た。

「お前が向こう行ったら、毎日海に来る。」

ははっ、と、思わず笑い声が漏れる。

彼が、毎日、会いに来てくれると言ってくれてるみたいで、どうしようもなく嬉しかった。

照れくさくて、嬉しかった。

ぐしゃっ、と涙を拭う。

「ありがとう。俺も来るよ。」