少年は片手にソーダ味のアイスを持っていた。

近所のいつも通っている、しわしわな笑顔が可愛らしいおばちゃんの

曲がり角の小さな駄菓子屋で買った、

100円もしない、やっすいやつで、頭に残る曲のCMをやっているやつ。

おばちゃんに「また来るねー!」と挨拶をすると、おばちゃんはまた可愛く笑った。

2人は、ランドセルを背負ったままいつもの帰り道を歩く。

炎天下の中、太陽に焦がされながら。

少女は、少し高いスイカの形をしたアイスを食べていた。

「赤い部分よりこの青い部分の方が好きなんだよね」と言って、

横から齧られたアイスはスイカの形をもう残していない。