「それにしても。制服でここにくるのは危ないんじゃないかな」



グラスを洗って、ついた水滴を拭き取っている康二さん。

危ないって…?



「紫杏たちがいるから良かったけれどね。
…制服姿は狙われやすいから気をつけた方がいい」



忠告だというように言った康二さん。

制服姿でこの街に来るのは危険だということなのだろう。

しっかり頭の中に入れておかなくちゃ。


ーーそれから、数十分かかったところで。

紫杏くんたちが戻ってきた。




「侵入者のほうは片付いたのかい?」



康二さんが第一に口を開く。

静かに、鋭い声で問う姿は、怖さや鋭さが詰まっていた。



「片付きましたけれど、他にもいる可能性がありますので倉沢さんは帰そうかと思いまして。送迎は紫杏くんに任せてます」

「そうかい」



厳しい顔をして視線を落とす康二さん。

心なしか、とても雰囲気がピリピリしていて。

空気が痛い。