「ていうかさ、東郷たちはなんでここにいるわけ?」
ムスッした表情のまま、問う紫杏くん。
ムスッとしてる表情でも、大人な雰囲気を感じるのはどうしてだろう。
普通なら、子供っぽさが出るはずなのに。
「普通にお茶しにきただけですよ。本当なら紫杏君も誘いたかったんですけど、今日は予定があるって言っていたので」
そう伝えながら、チラッと私を見る東郷さん。
予定って、やっぱり私のこと…?
「へぇ、そう」
適当に相づちを打った紫杏くん。
不服そうな顔してる紫杏くんと対照的に、面白そうな顔をしている東郷さんと黒瀬くん。
すごい温度差だ。
ケーキを食べ終えてやり取りを見ていると、勢いよくドアが開く音がした。
「た、大変です!!侵入者が複数人確認されました!それも、一般人ではないようで…」
「一般人じゃないですか…。他に掴めている情報はありますか?」
とても焦ったような表情をしながらその場にいる全員に告げる男の人。
その言葉に即座に切り返したのは東郷さんだった。