冷淡と告げる。

崩れていく女の表情。

それを僅かに見た後、摩天楼へと向かう。

夕暮れ時の空色に、薄暗く気味の悪い街は絶妙な気持ち悪さを感じさせる。



…歩いていると次第に見えてくる摩天楼。

この街の中で絶対的な圧倒さを纏うその建物は、堂々とそびえ立っている。

建物に一歩二歩と近づき、足を踏み入れると1人の男が立っていた。



「染野さん、お待ちしておりました。
最上階のミーティングルームでにて一同揃っております」

「了解」




華やかさを感じさせるロビーを離れ、エレベータを使用する。

なかなかの階数あるため、エレベーターを使うにしろ、多少の時間がかかる。

浮遊感が消え、扉が開く。


ミーティングルームに向かえば、いたのはたった一人だった。