…けれど。


門に着いたとき、見えたのは、花澄ちゃんと宮西クンの姿。

どこか初々しい雰囲気に、納得する。


避けてたのはそういうことなんだ。

宮西クンに誤解されたくなかったんだ?


この間、3人で帰った時もやけに宮西クンと親しかったしね。


…理解。


会話の最中、顔を赤く染めた花澄ちゃん。


その顔するのは俺の前だけでいいのに。

確実に宮西クンに向けて照れた花澄ちゃんに、黒い渦が巻く。


宮西クンじゃなくて、俺を見ればいいのに。


嫉妬心と独占欲。

そんなの俺に似合わないとわかっていても、本能的に現れてしまう。


ーー潮時なのかもしれない。


ふと、そう思った。

あくまで監視役と監視対象という、特殊な関係。

それも、俺が無理を言って監視役に回さしてもらっているわけで。

そう、今が潮時なのかもしれない。