医者なんて仕事をしていると、わりと女性にはモテる。
学生時代から通じて付き合った人もそれなりにいた。
しかし、自分も相当遊んでいたくせに俺や真理愛にはやかましい父さんのせいで、どちらかと言うと古風な考えを持つ保守的な人間になったと思っている。


「こんなに懐いているのに、美貴さんの姿が見えなくなったら泣かれそうだね」

こう言った時点で、俺は美貴さんの事がとても気になっていて、あわよくば「泊っていってもいいかしら?」と言ってもらえないものかと企んでいた。
しかし、

「明日はなるべく早く迎えに来ますね」
明るく言う美貴さん。

バーで見た派手な印象とは正反対で、堅実な人なんだと気づいた。

できればこの出会いをきっかけにお近づきになりたいと思ったけれど、翌日は緊急の呼び出しでろくろく話もできず、交換した連絡先にメッセージを送っても返信なし。
ああこれで終わりかなと思っていた時、とあるパーティーで再会した。