『はい、でもパソコンから携帯のアドレスで送れるんです。迷惑メールもそうやって送られているんですよ』
『じゃあ相手はわからないんですか?』
『いえ、ちょっと待ってください』
今井は、先ほどな冴えない雰囲気とは別人のようにテキパキと答え、手際よくキーボードを叩き始めた。 第一印象と違って、パソコンを自由自在にそうさする今井に警部が驚いていると、突然、今井が大きな声を上げた。
『あっ!ありました!』
そして、メールの送信者を見た瞬間、今井は凍りついた。
『誰なんですか、送信者は?』
警部が今井を急かすように聞いた。
『私です。』
今井はボウ然と答えた。 『あなたが送ったんですか?』
今井は答えない。もう一度警部に、
『今井さん!』
と呼ばれて、
『えっ?僕じゃありませんよ!』
今井はようやく答えた。 『でもねぇ……』
と警部が疑いながら今井を見た。