「そんなに驚くこと?りっくんの分よ」

「…それはわかってるよ!」


わたしが聞きたいのは、どうしてりっくんの布団がわたしの部屋にあるかということだ。


「だって、他に部屋は空いてないし…。お客様をリビングで寝かすわけにはいかないでしょ?」

「それは、そうだけど…」

「小さいときはいっしょの布団で寝てた仲なんだから、今さら恥ずかしがることもないでしょ!」


お母さんは楽観的にそう言うと、洗い物を済ませて、お風呂に入りに行ってしまった。



「…ごめん、りっくん。他に部屋が空いてないみたいで…」


わたしの部屋の前で待っていてくれていたりっくんにそう告げる。


「そっか。それなら仕方ないな」

「だったら、わたしがリビングで寝るよ!」

「なに言ってるんだよ。それなら、俺がリビングに行くよ。そもそもお邪魔させてもらってるのは俺のほうなんだし」