「だったら、今度俺ん家にこいよ。まだ録画残ってるから」

「…りっくんの家?」


そういえば、小学校の頃はよくお互いの家を行き来していたな。

あのときは、まだわたしはマンションに住んでいたけど。


「母さんも、久々にしずくに会いたがってた。だから、次のデートは俺ん家なっ」

「うん…♪」


こんな些細な約束でさえも、幸せに感じてしまう。


「それなら、今度りっくんもウチに遊びにきてよ!まだ、家の中には入ったことはなかったでしょ?」

「そうだな。前に、玄関でちょこっと話して帰ったくらいだし」

「お母さんも喜ぶと思うからさっ」

「おう」


いつになるかわからないけど、りっくんがウチに遊びにきてくれる。


このときは、遠い先のことのように考えていたけど――。

まさか…いきなり。