りっくんと手を繋ぐのなんて…いつぶりだろう。


最後の記憶は…。

確か、小学2年生のときの遠足だったような。


当たり前たけど、りっくんの手はその頃よりも大きく、わたしの手を優しく包み込んでくれる。


「俺が目を離した隙に、しずくがいなくなったら困るから」

「そんな迷子みたいなことにはならないよ」

「いいんだよっ。俺がこうしていたいから、こうするんだよ」


りっくんは、離すまいとさらにギュッとわたしの手を握った。


「それに、手を繋いだくらいで恥ずかしがるなよ」

「…だって」

「俺たち、それよりも恥ずかしいこと…もうしてるのにっ?」


わたしの顔を覗き込んできたりっくんが、いたずらっぽく笑う。


手を繋ぐよりも…恥ずかしいこと。


『ダーメ。昨日はお預けくらったから、今日はむちゃくちゃに愛したい』