午後からの仕事に差し支えるくらい、奈美恵の話が尾を引いている。

独身二人の恋愛事情なんて好きにやってくれたらいいものを、どうして私が変に牽制されなきゃなんないの?まさか今日、亮と二人で飲みにいく情報が彼女の耳に入ったとか?

モヤモヤしている私のパソコンがメールを受信した。

なんてタイミングなんだろう。亮からだ。

【十九時、ウェルネス・イーストホテルのエグゼクティブ・カフェバー予約した】

シンプルな文章だったけれど、ホテルも最高級だし、このカフェバーも最高峰。

どういった風の吹き回し?

【うわー、最高じゃん。お財布の中身大丈夫かな】

いつも割り勘な私達だったから、あまりに高級な場所だと気おくれする。

【大丈夫。今日は俺が誘ったから俺がご馳走する】

【へー、太っ腹だね。そりゃモテるわけだ】

【なんだよそれ?】

余韻残る奈美恵の存在のせいで余計なことを書いてしまった。

【十九時楽しみにしてる!今日はよろしくね~】

慌てて、メールのやり取りを切り上げる。

奈美恵のこと、本当なら気をつけなよって亮に言いたいところだけど、おせっかいおばちゃんだよね。

言いたい気持ちに蓋をしなくちゃ。

亮からのメールで一気にモヤモヤしていた気分が切り替わった。最高級ずくしなんて久しぶり。なんて単純思考な私!

その後はすっかり仕事も捗り、時間が来るとさっさと職場を後にして待ち合わせ場所に向かった。

二人きりの亮はどんな感じなんだろうと少しわくわくしながら。