「ところで瑞希さん、ちょっとご相談があるんですけど」
奈美恵は私に顔を近づけてささやく。
「ん?何?」
「ここじゃちょっとまずいんで、お昼一緒にどうですか?」
「オッケー。じゃ、お昼に」
丁度お弁当持ってきていなかったんだよね。
たまに奈美恵とは一緒にお昼を食べることがあったけれど、奈美恵からのお誘いで行くことは初めてかもしれない。
今日はやけにお誘いが多い日だけど、嬉しい限り。
お昼が来て、奈美恵お勧めのカフェに向かう。
「ここの卵サンドが最高に幸せな気持ちにさせてくれるんです」
彼女は私にも絶対頼んでと言わんばかりの表情でくりくりとした目で私を見つめてくる。
ショートカットでどんぐりのような目をした彼女は性格だけでなく顔もかわいい。
彼氏もいるとかいないとか、噂には時々聞いていたけれど直接聞いたことはなかった。まぁ、どうでもいい話だけど。
卵サンドを頬張る彼女の頬はほんのり紅潮している。
「本当に嬉しそうに食べるよね」
そんな奈美恵を見ながら私も卵サンドを一口「はむっ」と噛んだ。
「だっておいしいんですもん。ね?おいしいと思いません?」
「うん、おいしいよ」
そんなことより、奈美恵の相談事の方が気になっている。
突き合わせのサラダをつまみながら、待ちきれない私は彼女に相談って何なのか尋ねた。
彼女は私に頷きながら片手で口を塞ぎ、最後の一口をゴクンと飲み込む。
そして、テーブルを挟んだ私に前のめりになって近づくと声を潜めて言った。
「実は先週、小出さんと...…そういう関係になっちゃいました」
「亮と?!」
思わず目を丸くして大きな声を出した私に奈美恵は慌てて「シー」と人差し指で自分の口を押えた。
「え?って、そういう関係って?付き合うことになったってこと?」
一応飲み仲間の一人のそういう話題だからってだけだけど、急に鼓動が激しくなる。
「いえ、付き合うとかっていうか、私彼氏いるので。一緒に飲みに行った帰り、なんていうかそんな状況になっちゃって」
奈美恵が、なぜだか勝ち誇ったような表情を見せた。誰に勝ち誇ったというのだろう。
どうしてわざわざ私にこんな話をするのか見当もつかない。こいつは、実はとんでもない小悪魔女子だったのか?
冷静に先輩らしく話を聞くべきなのに、ドキドキと同時にどうしようもなくイライラしている自分に戸惑う。
百合の婚外恋愛の話の方がずっと清潔で純粋なことのようにさえ感じた。
奈美恵は私に顔を近づけてささやく。
「ん?何?」
「ここじゃちょっとまずいんで、お昼一緒にどうですか?」
「オッケー。じゃ、お昼に」
丁度お弁当持ってきていなかったんだよね。
たまに奈美恵とは一緒にお昼を食べることがあったけれど、奈美恵からのお誘いで行くことは初めてかもしれない。
今日はやけにお誘いが多い日だけど、嬉しい限り。
お昼が来て、奈美恵お勧めのカフェに向かう。
「ここの卵サンドが最高に幸せな気持ちにさせてくれるんです」
彼女は私にも絶対頼んでと言わんばかりの表情でくりくりとした目で私を見つめてくる。
ショートカットでどんぐりのような目をした彼女は性格だけでなく顔もかわいい。
彼氏もいるとかいないとか、噂には時々聞いていたけれど直接聞いたことはなかった。まぁ、どうでもいい話だけど。
卵サンドを頬張る彼女の頬はほんのり紅潮している。
「本当に嬉しそうに食べるよね」
そんな奈美恵を見ながら私も卵サンドを一口「はむっ」と噛んだ。
「だっておいしいんですもん。ね?おいしいと思いません?」
「うん、おいしいよ」
そんなことより、奈美恵の相談事の方が気になっている。
突き合わせのサラダをつまみながら、待ちきれない私は彼女に相談って何なのか尋ねた。
彼女は私に頷きながら片手で口を塞ぎ、最後の一口をゴクンと飲み込む。
そして、テーブルを挟んだ私に前のめりになって近づくと声を潜めて言った。
「実は先週、小出さんと...…そういう関係になっちゃいました」
「亮と?!」
思わず目を丸くして大きな声を出した私に奈美恵は慌てて「シー」と人差し指で自分の口を押えた。
「え?って、そういう関係って?付き合うことになったってこと?」
一応飲み仲間の一人のそういう話題だからってだけだけど、急に鼓動が激しくなる。
「いえ、付き合うとかっていうか、私彼氏いるので。一緒に飲みに行った帰り、なんていうかそんな状況になっちゃって」
奈美恵が、なぜだか勝ち誇ったような表情を見せた。誰に勝ち誇ったというのだろう。
どうしてわざわざ私にこんな話をするのか見当もつかない。こいつは、実はとんでもない小悪魔女子だったのか?
冷静に先輩らしく話を聞くべきなのに、ドキドキと同時にどうしようもなくイライラしている自分に戸惑う。
百合の婚外恋愛の話の方がずっと清潔で純粋なことのようにさえ感じた。