給湯室にお茶を淹れに行ったら、たまたまやってきた亮に陽子が行けないことを伝える。
「ふぅん。お前が迷惑じゃなきゃ俺は二人で行くのは全然かまわないけど」
「じゃ、今日は二人で行く?」
「むしろ二人で行きたかったから、俺的にはその方が都合がいい」
「何それ。何か企んでる?」
「お前一人なら簡単に落とせるけどやってみる?」
「人妻捕まえて何言ってんだか。んじゃ、また後で」
私は淹れたてのコーヒーを一口含むと、手をひらひらさせながら給湯室を後にした。
昔から冗談ばっかり。
独身であろうと、結婚してるであろうと言ってることは全く変わらないんだから。
ちょっとは人妻の私に気を使えっての。
まぁ、そんな関係だからきっと今まで飲み仲間として続いてきたんだろうけどね。
でも、亮と完全に二人きりで飲みにいくのは初めてだ。
若干いつもと調子狂うかもね。二人きりならではの亮の恋愛話でも突っ込んで聞いてみようか。
それがいい。楽しみになってきた。
デスクに戻ると、横に座っていた東条 奈美恵が私に顔を向け「やけに楽しそうですね」と笑う。
「そう?やだ、私にやけてた?」
「めっちゃにやけてました。旦那様とデートですか?」
関西出身の彼女のイントネーションが妙に心地よく感じる。
「そんなんちゃいますわー」
おどけて関西弁風に返してみる。
「全然、関西弁じゃありませんから!似非関西弁聞くとイライラするからやめて下さい」
奈美恵は頬をぷーっと膨らますと、またすぐにケタケタと笑った。
彼女は入社二年目の二十四歳。いつも笑顔で明るい性格と真面目な仕事ぶりが皆にかわれている。
恐らく私が産休か辞めることになった時に後任として配属されたんだろうけれど、未だその気配すらないってことに本人は気づいてるのだろうか。
「ふぅん。お前が迷惑じゃなきゃ俺は二人で行くのは全然かまわないけど」
「じゃ、今日は二人で行く?」
「むしろ二人で行きたかったから、俺的にはその方が都合がいい」
「何それ。何か企んでる?」
「お前一人なら簡単に落とせるけどやってみる?」
「人妻捕まえて何言ってんだか。んじゃ、また後で」
私は淹れたてのコーヒーを一口含むと、手をひらひらさせながら給湯室を後にした。
昔から冗談ばっかり。
独身であろうと、結婚してるであろうと言ってることは全く変わらないんだから。
ちょっとは人妻の私に気を使えっての。
まぁ、そんな関係だからきっと今まで飲み仲間として続いてきたんだろうけどね。
でも、亮と完全に二人きりで飲みにいくのは初めてだ。
若干いつもと調子狂うかもね。二人きりならではの亮の恋愛話でも突っ込んで聞いてみようか。
それがいい。楽しみになってきた。
デスクに戻ると、横に座っていた東条 奈美恵が私に顔を向け「やけに楽しそうですね」と笑う。
「そう?やだ、私にやけてた?」
「めっちゃにやけてました。旦那様とデートですか?」
関西出身の彼女のイントネーションが妙に心地よく感じる。
「そんなんちゃいますわー」
おどけて関西弁風に返してみる。
「全然、関西弁じゃありませんから!似非関西弁聞くとイライラするからやめて下さい」
奈美恵は頬をぷーっと膨らますと、またすぐにケタケタと笑った。
彼女は入社二年目の二十四歳。いつも笑顔で明るい性格と真面目な仕事ぶりが皆にかわれている。
恐らく私が産休か辞めることになった時に後任として配属されたんだろうけれど、未だその気配すらないってことに本人は気づいてるのだろうか。