結婚式が近づくにつれて、必要なものが少しずつ揃ってきた。

私の、つまらない体型を少しでも良く見せてくれる、Aラインのウエディングドレスは、一見するとシンプルで上品そうなもの。
だけどよく見ると、きめ細やかなレースがふんだんにあしらわれている。
全部……とまでは流石にいかなかったが、よく目立つ胸元部分のレースは理玖が手で編んだ……らしい。
ちなみにベールにも、ふんだんにそのレースが使われており、しっかり統一性が保たれていた。
……これを身につけるのが私であることが、本気で申し訳ないと思ってしまう。

それから、誰の目も惹きつけるであろうティアラ。
普通、ティアラの製作期間は、通常では2ヶ月から半年はかかると言われている。
こればかりは、ただでさえ通常の依頼も多く抱えている理玖が製作するのは無理だろうと思っていた。
けれども、つい先日

「これをつけてみてほしい」

と私が渡されたのは、天の川のような煌めく星々が表現されたプリンセスティアラ。

「まさか、これも……」

私が尋ねると、私の頭にキスを落としながら

「お前の頭に触れるものを、何で俺がわざわざ他人に作らせなきゃいけないの。それに、美空の頭に似合う形は、俺が宇宙で1番知っている」

と恥ずかしげもなく言ってきた。