「はぁ、」

行き場のないため息をつく。



優人は彼女思いだから、他校でもいつも向かいに来てくれる。


そんなせいか女子しかいないここの中学校では優しいプリンスだとかなんだとか言われている。


ルックスも整ってる優人に目をつけてる女子なんて数えだしたらキリがないくらい。



「奪われるのも時間の問題……かぁ。」


なんで女子しかいないのよ………


亜希を蹴落として優人の隣の座を奪いのはかなり大変だった。


最初は亜希に近付いて、仲良くなって、


それから彼氏に会って、


隠れて連絡先を入手して、


亜希をわざとイライラさせたりして優人の相談を聞いたりもした。