「空が綺麗ですね」

突然、黒田さんが立ち止まった。

いつの間にか、最寄り駅のすぐ近くの橋の上に来ていた。

目の前には大きな川。

オレンジ色に染まった空と雲。

その間から顔を覗かせる黄金色の太陽の光が、川の水面で反射してきらきら輝いていた。

「夕焼けですね」

ぼそっと呟くと、脳裏にある日の夕方の風景が浮かんだ。