その後、真白ちゃんは早退をして行った。


僕は高等部の自分の教室に戻り、席に座りながら外を眺めていた。


……真白ちゃんって、本当優しい子だなぁ。


こんな僕のために、優星と話をつけに行こうとしてくれたなんて。


……あの、抱きしめた時の優しい包み込むような感覚も、全部小さい頃と変わることのない。

真白ちゃんは無自覚だから、やっぱり僕が守っていかないといけない。


それで、もっと完璧な王子様になったら、真白ちゃんはずっと僕と一緒にいてくれるはずだから。


だから、僕は頑張る。

ただ、真白ちゃんと生きるためだけに。


そうだ、放課後、優星に話をつけに行こう。

それで、話がついたら真白ちゃんのお見舞いに行こう。


……勉強も、サボりたいけど……仕方がない、今日ぐらいは真面目に授業を受けよう。





そして迎えた放課後。


僕は屋敷に優星を呼び出した。