「え、えっと……起き上がった方がいいですか?」

「ううん、辛いだろうから、そのままでいて?」

「は、はいっ……」


すると、両手を伸ばした真白ちゃん。


……神様、僕の彼女が可愛すぎてどうにかなりそうです。


「……はい、ぎゅー」


寝っ転がっている真白ちゃんをぎゅっと抱きしめる。


「……ふふっ、やっぱり……先輩とぎゅーすると、落ち着きます」

「……なにそれ、可愛すぎでしょ。僕もだよ」


いや……落ち着くけど、それ以前にドキドキしすぎてやばいかも。


けど、真白ちゃんの前では常に“王子様”でいたい。


その時だった。


ガラガラッという音がして、保健室のドアが開いた音がした。

おそらく、真白ちゃんのお母さんだろう。


「真白ちゃん、ありがとう」


抱きしめるのをやめて、今度は真白ちゃんの頭を撫でる。


……真白ちゃんは、僕の後輩のはずなのに、やっぱり大人びている気がする。