気付けば敵意を向けていた。
日下部の手を握り、さっき彼がしてくれたように今度はやよいが彼を庇って後ろへ下げる。
ようやく全貌が明らかになったその人は、やよいよりも背が高く、バリバリにやれるタイプの女性で、数々の修羅場を潜り抜けてきた、そういう雰囲気で溢れていた。
やはり、似ていない。
覇気もなにもかも、負の感情にまみれていた。
だが怒りで怖じけなどどこかへ飛んでいってしまっていた。
「さっきから聞いてたら勝手なことばっかり、あんた引き取ったんやろ?女狂いかなんか知らんし浮気性やろうがなんやろうがその人と結婚するて決めて、日下部くんとも一緒に暮らす選択をしたのも自分やろ。脅されたわけでもなくなんやったら引き取らんときと引き取ったときのその後を天秤にもかけたはずや。それが、ちょっと思いどおりにいかんからって子供に当たってどんな大人やねん。子供を守る立場やろ?導く立場やろ?何てこと言うねや。それでも親か?あんた人間か?ええ大人が責任転嫁なんかすんな、みっともない。おんなじ女ってだけで恥ずかしいわ」
頭の篩にもかけず、一気に突きつけた。
どんな手を使っても日下部にこれ以上酷い言葉を浴びさせたくなかった。
今だけだとしても、この人の悪意から日下部を隠したかった。
日下部が迷惑するとしても、もう止められない。
震えてる…。
やよいの足元を見た日下部が、震えても逃げようとしないやよいに眩しさを覚える。
目の前に立つやよいは完全に怯えて脚も震えているのに、声はこの上なくはっきりしていた。
その姿が日下部には眩しすぎて、太陽の光とは関係ない刺激で目頭が痛んだ。
怒鳴るでもなく、ただ、込み上げる怒りに身を任せるといった凛々しさで日下部を守っている。
「な、なんですって!?なにも知らない他人が偉そうにっ。目上の人間に対してなんて口の利きかたっ、お里が知れるとはこのことね!」
怒り、苛つきの矛先がやよいへと移行する。
だがやよいもここまで来て怯むわけにはいかない。
日下部の手を握り、さっき彼がしてくれたように今度はやよいが彼を庇って後ろへ下げる。
ようやく全貌が明らかになったその人は、やよいよりも背が高く、バリバリにやれるタイプの女性で、数々の修羅場を潜り抜けてきた、そういう雰囲気で溢れていた。
やはり、似ていない。
覇気もなにもかも、負の感情にまみれていた。
だが怒りで怖じけなどどこかへ飛んでいってしまっていた。
「さっきから聞いてたら勝手なことばっかり、あんた引き取ったんやろ?女狂いかなんか知らんし浮気性やろうがなんやろうがその人と結婚するて決めて、日下部くんとも一緒に暮らす選択をしたのも自分やろ。脅されたわけでもなくなんやったら引き取らんときと引き取ったときのその後を天秤にもかけたはずや。それが、ちょっと思いどおりにいかんからって子供に当たってどんな大人やねん。子供を守る立場やろ?導く立場やろ?何てこと言うねや。それでも親か?あんた人間か?ええ大人が責任転嫁なんかすんな、みっともない。おんなじ女ってだけで恥ずかしいわ」
頭の篩にもかけず、一気に突きつけた。
どんな手を使っても日下部にこれ以上酷い言葉を浴びさせたくなかった。
今だけだとしても、この人の悪意から日下部を隠したかった。
日下部が迷惑するとしても、もう止められない。
震えてる…。
やよいの足元を見た日下部が、震えても逃げようとしないやよいに眩しさを覚える。
目の前に立つやよいは完全に怯えて脚も震えているのに、声はこの上なくはっきりしていた。
その姿が日下部には眩しすぎて、太陽の光とは関係ない刺激で目頭が痛んだ。
怒鳴るでもなく、ただ、込み上げる怒りに身を任せるといった凛々しさで日下部を守っている。
「な、なんですって!?なにも知らない他人が偉そうにっ。目上の人間に対してなんて口の利きかたっ、お里が知れるとはこのことね!」
怒り、苛つきの矛先がやよいへと移行する。
だがやよいもここまで来て怯むわけにはいかない。