「約束よ。……さて、フライトまで観光するんでしょ? 付き合うわ。プーケットには何度か来たことがあるから、おすすめのお店を教えてあげる」

「いいんですか?」

「もちろん。それがこの仕事の醍醐味だもの」

 それからはフライト時間ギリギリまで、金城さんと観光を楽しんだ。オススメのお店でランチをしてお土産選びにも付き合ってもらって。

 これまでの私たちの関係を考えたら信じられない時間だった。

 でも話してみたら金城さんはサバサバした性格で話しやすく、聞き上手でもあった。これからもっと関係を深めていきたいと思えるほど、短時間で金城さんのことを好きになってしまった。

 これもすべて誠吾さんのおかげ。彼女との楽しい時間を過ごせば過ごすほど、彼に会いたくてたまらなくなってしまった。


『本日はご搭乗いただき、ありがとうございました。またいつか、空の旅をご一緒できることを楽しみにしております』

 羽田空港に着陸後、キャプテンのアナウンスが流れた。それと同時に私たちはお客様をお見送りする体制に入る。