「そうでしたね」

たった一機で、ブシ十五機を撃破したのは、フェーンが乗る特別機であった。

どこからか白鷺から採取されたコアの1つを、テラが回収したものであった。

「今回回収したコアを合わせても、まだまだ足りん。我々が独自のルートから手に入れたコアは、やつらの量産機にも劣る性能だ。しかし、だからこそ、ノアはブシをも超える機体でなければならない。武装兵器だけならば、我々の技術は、日本に負けないはずだ」

「そうですね」

赤毛の男は、ノアに合う武装を考えていた。

「ノアのタイプを変えれないのか!バド博士!」

思わず声を荒げた准将に、バドは頭をかいた。

「それは無理ですよ。我々人間が、鳥になれないように、コアはそれぞれ決まっています」

「し、しかしだ!私はきいたことがあるぞ!コアは進化すると!性能を変えることができると!」

どうだと言わんばかりに、バドを見る准将。

それを見て、バドは大きく息を吐くように、ため息をつき、床を見つめた。

「そ、それは…レクイエムを含む、オリジナルフィギュア五体だけです。あくまでも噂ですが、やつらは進化する。いや、進化している。だから、人前に出てこないと」

そこまで言うと、床を見つめながら、コーヒーカップに手を伸ばした。

「そうか…。オリジナルフィギュアだけか…」

准将はそう言った後、数秒考え出した。

「武装で何とかしますよ」

バドは、コーヒーカップを取ろうとしたが、見ていない為になかなか掴めなかった。

「そう言えば……。君は知っているかね?六体目のオリジナルフィギュアが存在することを」

准将の言葉に、コーヒーカップを探していた手を止め、バドは顔を上げた。

「六体目のオリジナルフィギュアは、確かに存在する。しかし、今まで何故、存在が知られていなかったのか。それは簡単な答えだ。今までコアの状態で保管されていたからだ。その幻の機体が、今頃になって、日本で開発をされたらしいのだよ。それも、沖縄の米軍基地跡でな」