「了解しました。対応しますよ」

河村は、機体の調子を確認しながら、有馬の話を聞いていた。

「その敵機は、何だと思う?」

「知りませんよ」

ぶっきらぼうにこたえた河村は、ブシの現状に軽く舌打ちした。

(こいつは…無理か。しかし、何とかしなくては)

右腕が動くことと、ビームマシンガンの残量を確認し、海上から狙い打ちするしかないと覚悟を決めた。

「接近する敵機は、黄金の鳥よ」

「!?」

有馬の言葉を聞いた瞬間、河村は絶句した。

と同時に、河村は口元を緩めた。

「成る程…借りを返しますか」

「敵機が、あちらに行ってくれたから、助かったわ。当艦は、オリジナルフィギュア回収に向かう!その際、あんたのフィギュアを打ち出すわ!」

有馬の言葉に、河村は頷いた。

「了解。ブシのコアは無事です」

「作戦終了後、回収します」

「了解!」

河村は、ブシのユーテラスから脱出の準備に入った。

「という訳よ。一気にいくわよ。ミサイル発射準備!ファイアバードと敵フィギュアの進路上に数十発ぶっぱなしながら、こちらのフィギュアを射出します!」

有馬の命令に、ブリッジ内は即座に反応し、艦はミサイルの発射準備に入った。

「本艦、草薙の目的は、あくまでもオリジナルフィギュアの捕獲」

有馬は、目の前のスクリーンに映る座標上の二つの点を睨み付けるように見つめた。



「こ、こいつ!一機なのに!」

「手強い!」

麗奈と莉奈はユーテラス内で、下唇を噛み締めた。

その頃、オバマのユーテラス内では、ガイが豪快に笑っていた。

「確かに、いい腕だ!訓練されている!」

オバマの死角を取ろうと、一機は囮になり、もう一機が即座に角度を変えた動きを、ガイは感覚で感じ取っていた。

「だからこそ、わかりやすい」

オバマは背中からミサイルを発射しながら、回転するように両手に持ったビームマシンガンを撃ち続けた。

「落ちろ!」