当たり前のことである。

フィギュアは兵器である。

人が乗る兵器である。


コウは改めて、認識した。

「人が…いた…」

コウは認識した。

そして、震え…恐怖し…嗚咽した。

自分が人を殺したということを…認識して。




「大尉!大尉!応答して下さい!」

貫いた手刀の隙間から、リサの通信が聞こえて来たが、しばらくして通信は切れた。

コアを破壊されたキラーは、活動を停止した。

キラーのユーテラスがあったところ…手刀との隙間から、血が流れた。

「うわああああああああ!」

アルテミスのユーテラスの中で、コアが絶叫した瞬間、アルテミスも動きを停止した。

武装硬化も解け、裸体が露になった。

活動を停止した二体のフィギュアが、小島の上でオブジェのように立っていた。




「いけますか?少佐」

管制室からの通信に、フェーンは笑った。

「無論だ」

カタパルトデッキ上にいる…鳥形のフィギュア。

「ターゲットは現在、マホメット大尉の部隊と交戦中です」

「了解した」

ユーテラス内に、海洋地図が表示された。

「今度こそは、貰うぞ。オリジナルフィギュア!」

フェーンはユーテラス内で、拳を握り締めた。

すると、鳥形のフィギュアは起動した。

「ファイアバード出る!」

フェーンの意志に呼応して、フィギュアは空母から発進した。

アルテミスに向かって。