「コアの研究により!貴様らフィギュアが、人間と同じ伝達機能で、各部に指令を発していることが明らかになった!ならば!伝達機能で狂わばいい!神経のように張り巡らせ、伝える電気機能を!」

キラーの絡み付いた伸びた指から、電流が流れ出した。

「この特殊な電流は、フィギュアの伝達機能を狂わせる!例え、オリジナルフィギュアとしてもな!」

アルテミスの全身が、電気をおびていく。

「我が祖国を!すべてを破壊したレクイエムを破壊する為に!貴様を貰い受ける!」

マホメットは、電力を上げようとした。

その時、マホメットの視界に目映い光の世界が扇状に広がった。

「な!」

絶句するマホメット。

「ば、馬鹿な!」

流した電流は、空に放電されていた。

アルテミスの髪が逆立ち、電流を逃がしていたのだ。

「く!」

アルテミスは、片手で首に絡み付いているキラーの指を掴むと、もう片方の手で残りの指を切断した。

「くそ!」

マホメットは、機体についている高周波ブレードをアルテミスに突きだした。

しかし、高周波ブレードはアルテミスの装甲に弾かれた。

「髪を切れば!」

機体のバランスを崩しながらも、再び高周波ブレードを振り上げたキラーの首に、アルテミスの手が差し込まれた。

次の瞬間、キラーの全身に電流が流れ…キラーは、動きを止めた。

「キラーの電流を!?」

目を見開くマホメットの視界は突然、肉眼に戻った。

動きを止めたキラーの腹がこじ開けられ…ユーテラスが剥き出しになったのだ。

「化け物が…」

マホメットは全く動けなくなるキラーの中で、フッと笑った。


「うおおお!」

興奮状態にあるコウは叫びながら、アルテミスの手刀をキラーのユーテラスに差し込んだ。

「え」

コウの目に、ユーテラス内にいるマホメットが映り…それを認識した時には、手刀はキラーの背中まで貫いていた。

「人間…!?」