「水中型フィギュアだと!?」

河村は一撃で、ステイルス戦闘機を撃墜させると、足についたボードを使い、水面を疾走した。

「陸奥の亜流か!やはり、日本からフィギュアの技術が流れているのか?」

河村はブシのユーテラス内で、海中を進むキラーを捕捉し、その速さに驚愕した。

「しかし!」

河村は有馬への回線を開けながら、ビームマシンガンを海中に向けた。

「河村です!テラの新型を追い込みます」

河村の眼球に、沖縄近海の地図が映る。

「海中では不利です。地上に誘導します」

河村の通信を聞いて、有馬がこたえた。

「了解。こちらも、敵新型に進路を取ります」

「俺の機体は、妹達が使っているんですよね?」

ビームマシンガンで、キラーを威嚇しながら、河村は訊いた。

「そのつもりだったけど…。あんたは、あの子の愛され人でしょ?こちらからは、どうしょうもないから…。機体は、カタパルトデッキに置いてあるわ」

ため息混じりの有馬の声に、河村はフンと鼻を鳴らし、

「了解しました!」

ブシのブースターを加速させた。



「日本軍が!」

キラーのユーテラスの中で、ブシの威嚇射撃を受けながら、マホメットは攻撃の真意に気付いた。

「水中戦は、無理と見て!姑息な真似に出たか!」

アルテミスを掴んでいるキラーは、片方の手を海面に向けた。

すると、指が伸び…海面からブシ目掛けて、襲いかかって来た。

五本の指は、ブシの全身に刺さり…貫通した。

「しかし!」

幸い、ユーテラスに刺さらなかった為、ブシは自らを貫く指の一本を掴んだ。

「釣れた魚は大きい!」

河村はにやりと笑うと、片方の手に持つビームマシンガンを水面に向け、引き金を弾いた。