「くそ!」

河村は、片腕となった機体を上に向け、ビームマシンガンの照準を合わせた。

「ミサイルが、五十発だと!?それも、テラ製のミサイルじゃない!」

河村は、すべて撃ち落とすことは不可能と判断した。

しかし、誘爆を狙い、でぎる限り撃ち落とすことにした。

「ままよ!」

ビームマシンガンにより、数十発は撃ち落とせたが、足りない。

「基地からはなしかよ!」

河村は撃ちながら、離脱することにした。




「うわああ!」

空が花火のように輝き、爆風がアキラのバランスを崩し、地面に倒れさした。





(何が…起こっているんだ)

逃げたい一心だったコウの心に、外のざわめきが伝わっていた。

液体に包まれたユーテラスの中は、静かだというのに、心がざわめいた。

(何が起こってる?)

と疑問を感じた瞬間、コウの顎が上がった。

(え)

コウの目に、爆発の煙と光を突き抜けながら、天から降り注ぐミサイルの雨が映った。

(!?)

コウは突然、目を見開いた。頭が一瞬で、真っ白になった。

次の瞬間、フラッシュバックする過去の記憶。

燃える街。燃える…母親。

「うわああああっ!」

声を出して、嗚咽した瞬間、コウの記憶は飛んだ。





「く、くそ!」

基地から離れた場所に着地したガルは、何度もミサイルに向かって、引き金を引いていた。

「この攻撃の目的は、何だ!」

自軍の基地にミサイルを撃ち込む…その意図が、河村にはわからなかった。




「避難状況は!」

司令官の叫びに、通信機からオペレーターの声がした。

「あとは、司令官だけです!」

「嘘をつけ!まだフィギュアが残っているわ」

管制室の窓から見える二機のブシと、オリジナルフィギュアを司令官は睨んだ。


ブシのパイロットは、軽いパニックになっていた。

「早く離脱して下さい!」

オペレーターの声に、やっと了解とこたえると、機体を動かそうとした。

その時、二機のブシは、オリジナルフィギュアの攻撃を受けた。