「お前が、話せるならば聞いてみたいものだ」

長髪の男の名は、上杉正継。

オリジナルフィギュア雷電の愛され人であった。

「まあ〜いい。ここから、導けばよいのだからな」

正継は、フッと笑った。






(ここは、どこ?)

その頃、6番目のオリジナルフィギュアの中で、眠りについていたコウは、ゆっくりと目覚め始めていた。



「まったくよお〜」

オリジナルフィギュアが、横たわる格納庫内にあるゴミ箱の中から蓋を開けて、辺りを伺っているのは、コウの友人であるアキラであった。

彼は、どさくさに紛れて、コウが向かった格納庫内に侵入していたのだ。

「コウは…どこだ?」

アキラは、コウがオリジナルフィギュアの中にいることを知らない。

「それにしても…」

アキラが隠れているゴミ箱は、オリジナルフィギュアの足の向こうにあった。

「女の×××をこんな間近で見るとは…。しかもこんな大きさで」

アキラはため息をつき、

「やる前にトラウマになるわ」

周囲を確認した。

監視カメラは所々にあるし、基地の囲いが破壊された為に、見回りがそこら中を巡回していた。

結局、忍び込んだものの…ゴミ箱から動けなくなっていた。

「時期を待つか」

そう自ら納得させると、アキラは蓋を閉めた。


「くそ!」

アキラが隠れるゴミ箱の近くに、武藤真也が近付いて来た。

「折角、水戸のご老公が用意していた舞台を!あんなガキに!」

真也は、オリジナルフィギュアを見上げながら、拳を握り締めた。

「それも、軍人ではない!一般人が!」

真也の言葉を聞きながら、アキラはゴミ箱の中で考え込んでいた。

「くそが!」

ぶつけることのできない怒りを溜めながら、真也はオリジナルフィギュアに背を向けて、歩き出した。

(ガキ?一般人?)

真也の言葉を頭の中で繰り返しながら、アキラはしばらくして少しだけ蓋を上げた。

(まさかな)

でかい×××を見つめながら、アキラは首を捻った。