「しかしな。それだけで生きれぬのが!戦場だ!」

体当たりにも似た黄金の鳥の動きに、普通ならば…逃げるだろう。

しかし、そこが、河村の違いだった。

マシンガンを捨て、右手につけられた刃を、上から下に振り下ろした。

「くっ!翼を!」

思わず、顔をしかめたフェーン。

「飛べぬ鳥に、何ができる!」

思わず、笑顔が溢れる河村。

だが、しかし。

「な!」

振り下ろした刹那、刃は弾かれた。

「高周波ブレードが弾かれるだと!?こ、このコーティングは!?」

「言ったはずだ!いつまでも、前にいると思うな!ジャパニーズ!」

黄金の鳥は、ガルのブレードを弾くと、上空に飛び上がった。

すぐさま、砲撃が襲ってきたが、スピードが違った。

「上手くいったか?」

フェーンはフッと笑うと、眼下の格納庫を見た。

「はい。少佐」

オリジナルフィギュアが横たわる格納庫内に、ノアが侵入した。

「今から、捕獲します」

「トニー。任せたぞ」

「は」

独自の回線を切ると、トニーはノアを動かした。

「あれが…オリジナルフィギュア」


ノアの侵入に、格納庫内は騒然となった。

「ブシの部隊は、どうなった!?」

「敵の新型に翻弄されています!」

オペレーターの報告に、司令官は机を叩いた。

「こちらの新型は!」

「一機のみです。他は、起動前に大破させられています」

「お、黄金の鳥め!あの性能、やつらのものとは思えぬ」

司令官は、苦虫を噛み締めたような顔になると、

「オリジナルフィギュアを起動させろ!それしかない」

オペレーターに命じた。

「そ、それが…」

オペレーターは格納庫の報告を聞きながら、声を詰まらせた。

「どうした!」

「オリジナルフィギュア…乗り込むことができません!」

「な、何!?」

司令官は、眉を寄せた。





「どうなっている!」

ノアの侵入を許したが、中にあった銃器で、何とか足止めをしている兵士達の後ろ…コンテナに横たわるオリジナルフィギュアのへその辺りで、武田真也と兵士が、焦っていた。