正当防衛だろうと何だろうと敵を倒さないと道は開けない、それが私達のやり方なのである。



「計画を実行するのは明明後日。怪我人が出る事を考えて、少し治療期間を儲けてからジェームズの結婚式に参加するのが理想系だと思うからね。準備をする時間はたっぷりあるはずだから、日程変更は認めない」


湊さんの異論を許さない声に、私達は黙って頷いた。


「次、建物とハッキングの説明に移る。銀河」


続いてリーダーはハッカーへと進行の権限を委ね、ソファーに足を投げ出したハッカーはいつもの黒いパソコンを開いて話し始めた。


「おう。今回も俺が建物と防犯カメラ、奴らのパソコン全てをハッキングする。…ただ、フェニックスにもハッカーは大勢居るから、俺がハッキングしてるのがばれる可能性も無くはない。その時は臨機応変に対応し」


「お前、天才ハッカー名乗ってんならばれずにやれよ。そんくらい出来んだろクソ野郎」


いつもとは違い、弱気になった彼の言葉を遮ったのは壱さんで。


ベッドの上で腕枕をした壱さんの半ば掴みかかるような鼓舞の仕方は、少々怖く思えたけれど信頼も感じ取れた。


「…俺、実はプレッシャーに弱いんですけれども」


急にキャラ変して口調を変えた銀ちゃんは、ぽりぽりと頬を掻きながら話を続けた。