離れて生活していたとはいえ、満足に連絡も取れなかったとはいえ、3人の中には確かに絆があったのだ。
それは、ずっと不仲だった大也と仁さんを繋げる唯一のもので。
同時に、下僕として生きてきたジェームズさんを人間へと解放させた唯一の救い。
「…何で、そんな事…。別に養子縁組したままでも結婚って出来ますよね?」
「…多分ね。でもその辺は良く分からないから何とも言えない。ジェームズがそうしたいって言うなら、ジェームズがそれで幸せになるなら僕は構わないよ。僕はね」
仁さんの返事は、曖昧なものだった。
「大也は、ほら…同性婚ってまだ日本で出来ないでしょ?だから、あいつは結婚は自分に関係の無い事だと思ってるんだよね」
部屋に掛けられた時計の秒針を刻む音が、やけに大きく聞こえる。
「…僕も一夫多妻制を実現したい側だからさ、1人としか結婚出来ない今のシステムは詳しくないわけ。だから、結婚に養子縁組が云々って言われても、良く分からない」
(まだ一夫多妻制について言ってるのかこの人…)
大也が琥珀に告白したあの日の夜、仁さんが泣きながら漏らしていたあの台詞は冗談だと思って受け流していたけれど、まさか本気だったなんて。
いや、この人の事だから真顔で冗談を言う可能性もある。
それは、ずっと不仲だった大也と仁さんを繋げる唯一のもので。
同時に、下僕として生きてきたジェームズさんを人間へと解放させた唯一の救い。
「…何で、そんな事…。別に養子縁組したままでも結婚って出来ますよね?」
「…多分ね。でもその辺は良く分からないから何とも言えない。ジェームズがそうしたいって言うなら、ジェームズがそれで幸せになるなら僕は構わないよ。僕はね」
仁さんの返事は、曖昧なものだった。
「大也は、ほら…同性婚ってまだ日本で出来ないでしょ?だから、あいつは結婚は自分に関係の無い事だと思ってるんだよね」
部屋に掛けられた時計の秒針を刻む音が、やけに大きく聞こえる。
「…僕も一夫多妻制を実現したい側だからさ、1人としか結婚出来ない今のシステムは詳しくないわけ。だから、結婚に養子縁組が云々って言われても、良く分からない」
(まだ一夫多妻制について言ってるのかこの人…)
大也が琥珀に告白したあの日の夜、仁さんが泣きながら漏らしていたあの台詞は冗談だと思って受け流していたけれど、まさか本気だったなんて。
いや、この人の事だから真顔で冗談を言う可能性もある。