「今回、日本から銀河のパソコンを持ってきて、爆弾と檻のロックを解除してくれたのは他でもない伊織だ。伊織が居なければ、僕達は間違いなく死んでいた」
湊さんの台詞は的を射ている。
「後から聞いたけど、エレベーターから落下した航海と監禁されていた琥珀、それから外壁に掴まっていた大也をクレーン車で助けたのも伊織だよね?」
俯いたままの伊織は、微かに頷いた。
「確かに、伊織は僕達を裏切った。…でも、こんなに僕達の事を考えて行動してくれる人は、他にはいないと思うんだ」
自分の横に立った裏切り者を長いこと見つめていたリーダーは、ふっとこちらを向き直る。
その澄んだ目が一人一人の目とかち合って、私の目とも交差した。
「本当は僕が言おうと思ったけど、伊織が自分から言いたいらしいから…皆、聞いてあげてくれる?」
ピンと張り詰めた空気の中、湊さんに促された伊織がゆっくりと顔を上げた。
「っ、…みん、な……」
その顔は、既に涙で濡れていて。
もらい泣きしやすい私は、必死になって下唇を噛み締めた。
「皆、…本当に、本当にごめんなさいっ……!」
誰が、こんな事を想像しただろう。
頭を深く深く下げた裏切り者は、そのまま跪いて土下座の姿勢をとった。
(えっ、)
湊さんの台詞は的を射ている。
「後から聞いたけど、エレベーターから落下した航海と監禁されていた琥珀、それから外壁に掴まっていた大也をクレーン車で助けたのも伊織だよね?」
俯いたままの伊織は、微かに頷いた。
「確かに、伊織は僕達を裏切った。…でも、こんなに僕達の事を考えて行動してくれる人は、他にはいないと思うんだ」
自分の横に立った裏切り者を長いこと見つめていたリーダーは、ふっとこちらを向き直る。
その澄んだ目が一人一人の目とかち合って、私の目とも交差した。
「本当は僕が言おうと思ったけど、伊織が自分から言いたいらしいから…皆、聞いてあげてくれる?」
ピンと張り詰めた空気の中、湊さんに促された伊織がゆっくりと顔を上げた。
「っ、…みん、な……」
その顔は、既に涙で濡れていて。
もらい泣きしやすい私は、必死になって下唇を噛み締めた。
「皆、…本当に、本当にごめんなさいっ……!」
誰が、こんな事を想像しただろう。
頭を深く深く下げた裏切り者は、そのまま跪いて土下座の姿勢をとった。
(えっ、)