座ったままお互いに抱き合って健闘を称え合う壱さんと航海、唇を震わせて涙を流す大也と、それを優しく見つめる琥珀。


天を仰いで大きく息を吐く銀ちゃんの両肩に手を置き、お疲れ様、と掠れた声で囁く湊さん。


薄暗い室内は、先程と一転して明るい雰囲気が漂っている。


彼らを見ていると、余計に私達が助かったという事実が現実味を帯びてきて。


「っ……良かったあああぁ…っ…!」


大也の手を離した私は、そのまま手で顔を覆って安堵の涙を床に落とした。



『皆…爆弾、残り0.72秒のところで解除成功したよっ、…!』


イヤホンからは、緊張が解れたのと大きな安心感で泣いているのか、つっかえつっかえの伊織の声が流れてくる。


『ご主人様、助かりましたよ……、!』


いつもは必要最低限の事しか話さない笑美ちゃんも、今回ばかりは声を震わせながら私達の会話に入ってきた。



「っ、……ほんとに、良かった…」


銀ちゃんの肩から手を離したリーダーは、よろよろと後退りをして両手で髪の毛を掴みながら顔を覆った。


自分の家族のせいで大切な仲間を騙す様な真似をしてしまって、それに加えて父親にこんな仕打ちをされたのだ、彼が責任を感じるのも無理はない。