そんな事を考え、


(理不尽過ぎる…)


と、心の中でごちた時。


「お前ら、何馬鹿な事言ってんだよ」


ドアの付近から、何処か安心し切ったような柔らかな声が聞こえてきて。


腰をバキバキと捻りながら立ち上がった天才ハッカーは、座り込む私の姿を捉えて優しく口角を上げた。





「俺達は死んでなんかない。爆発してないって事は、解除が間に合ったんだ…、!」





(間に合った、?)


銀ちゃんの言葉を理解した瞬間、私は身体中に安堵の鳥肌が立つのを感じた。


「本当ですか?…あ、夢じゃなさそうです、頬が痛いので」


ソファーの影から顔を覗かせた航海はおもむろに自分の頬をつねり、


「良かったですね壱さん、僕達生きてますよ!あんなに子犬みたいに震えちゃって、壱さんも見かけによらず怖がりなんですねぇ」


爆発までのカウントダウン中に弱みを握ったのか、ソファーの背もたれに完全に体重を預けている壱さんに向かって不自然な笑顔を浮かべて話し掛けた。


「お、俺達まだ生きてるの?まじ!?うわわわどうしよう、嬉しすぎて泣きそう…誰か、絶対今日の運勢占いで1位の奴いたでしょ!」


私の手を握る力を込めた大也は、再度涙目になって泣き笑いを浮かべた。