沢山喧嘩もしたけれど、兄弟達と毎日追いかけっこをして遊んだり。


隠れんぼをして私以外の家族全員が殺されて、逃げる最中に大也に出会った冬の日。


怪盗mirageの家で暮らすようになって、家族の復讐をして、大也が倒れて伊織が裏切り者だと分かって……



この18年間、私は本当に沢山の経験をしてきた。


悲しかったし辛い事も沢山あったけれど、





怪盗mirageと家族になれて、本当に良かった。






『2,1,………』



掠れた伊織の声が頭の中でこだまして、私はぎゅっと下唇を噛み締めた。








『ゼロ』










もう、何も聞こえない。